血液型について:
性格診断の迷信と心理学の罠
カウンセリングをしていると、よく聞かれる質問があります。
「先生、どうして彼の血液型を聞かないんですか?」
「彼との血液型の相性が良くないみたいなんです……」
「私はB型の人とはあまり相性が良くないのですが、復縁を目指してもいいのでしょうか」
「彼はA型なので、自分からは連絡してこないはずです」
血液型による性格診断を信じない人が増えてはいますが、未だに信じている方は少なくありません。
今回は、血液型による性格や相性の推測がなぜ間違いなのかについてお話しします。
このコラムで紹介する知識を知らないまま、合コンなどで「血液型と性格・相性」について熱弁してしまうと、周囲から思慮深さを疑われてしまうかもしれません。
血液型分類の歴史と科学的真実
血液型とは血の種類(Blood type)です。
19世紀、輸血に対する関心が高まり、オーストリアの病理学者カール・ラントシュタイナー(Karl Landsteiner)が血液のタイプを区別して輸血の効果を飛躍的に向上させ、1930年代にノーベル賞を受賞しました。
彼が血液型を分類したおかげで、歴史上最も多くの人命が救われたと称されています。
彼は1901年、異なる血液が混ざると凝固することを発見し、その反応が種類によって異なることを知りました。そして血液をA型、B型、O型、AB型に分類したのです。
その後、判明した血液の鑑別方法は150を超え、厳密に分けると血液のタイプは数百兆通り以上存在します。それらすべてが解明されているわけではありません。
つまり、人間の性格や特徴を「4つの血液型」に分類すること自体が、そもそも無理のあることなのです。
歴史的に見ても、かつてドイツで「自分たちは他の人種より優れている」と主張するための根拠(優生学)として「血液型と性格の相互関係」が持ち出されたことがありました。しかし、あまりにも根拠がなかったため、ドイツ国内でも注目されず消え去りました。
当然ながら、血液型と性格の相関性を科学的に証明した論文は世界中のどこにも存在しません。
日本では1970年代、能見正比古氏によって「血液型人間学(血液型性格分類)」が広められ、ブームとなりました。
しかし、この研究内容は統計学的に「有意な差」を示すものではなく、科学的な調査や研究に基づくものではありません。そのため、現在では擬似科学として扱われています。
それでもマスメディアで大きく取り上げられた影響で、今なお日本には強い先入観として残っているのです。
なぜ血液型診断を信じてしまうのか
では、なぜ人々は血液型による性格診断を信じてしまうのでしょうか。
これは以前のコラムでもお伝えした「バーナム効果」によるものです。誰にでも当てはまるような曖昧で一般的な記述を、「自分だけに当てはまる正確な特徴だ」と捉えてしまう心理現象のことです。
この効果は、占いや血液型性格診断で非常によく見られます。
例えば、あるサイトに載っていた「A型」に関する説明を見てみましょう。
もし心理学者から「あなたはA型だからこのような性格ですね」と言われたら、思わずうなずいてしまうのではないでしょうか。
なぜなら、上記の説明は誰にでも当てはまる内容だからです。
1.自分を「まったく配慮ができない人間だ」と思っている人はほとんどいません。誰しも「自分が相手を思いやった記憶」を鮮明に覚えているため、「たしかに配慮できている」と感じます。
2.友達の冗談を真面目に受け取ってしまった経験は、誰にでも一度はあるはずです。また、普段は雑な部分があっても、大切な仕事ではミスをしないよう慎重になった記憶を引き出し、「自分にも几帳面なところがある」と納得します。さらに「じっくり関係を築くタイプ」と言われれば、親しい友人の顔を思い浮かべて「たしかにそうだ」と当てはめてしまうのです。
3についても同様で、誰にでも心当たりのある内容ばかりです。もし当てはまらない部分があっても、「10個中7個当たっているから信憑性がある」と思い込んでしまいます。
思い込みがもたらす恋愛への悪影響
一見、血液型性格診断を信じても害はないように思えるかもしれません。しかし、これには大きな問題があります。
「私はA型だから小心者なんだ」「私はO型だから我慢しなきゃ」と、自分の性格や行動に無意識の限界(リミット)を作ってしまうからです。
恋愛においても、「彼はB型だから相性が良くないのかも」「彼女は◯型だから浮気しやすいのでは」と勝手に決めつけ、不安を膨らませて別れてしまうケースすらあります。
血液型や占いに惑わされてしまうと、本当に大切な人を見失ってしまうことになりかねません。
理想の恋愛を叶えていくためには、思い込みにとらわれず、相手の本質をまっすぐ見つめる客観的な視点が大切です。
あざと男子is恋愛美学で正しいアプローチを学び、賢く素敵な恋を掴み取っていきましょうね。
