なぜ、私たちは不安になると『占い』にすがりたくなるのか。…脳が迷信に逃避する本当のメカニズム。

占いに対する科学的批判:
不安な心が迷信に惹かれる理由

私自身も占いが好きです。

理性的には「根拠がないものだ」と理解していても、感情的にはつい信じてしまいたくなるような魅力がありますよね。

しかし、占いは「起こり得る未来」を暗示することはできても、「どのように行動すればそうなるのか」「どうすれば望まない未来を回避できるのか」という具体策までは教えてくれません。

あなたが本気で復縁を望み、迷信に振り回されない知恵を身につけたいとお考えであれば、このコラムを通して占いについて建設的に見つめ直してみてください。

もちろん、このコラムは占いを単に否定するものではありません。「こういった側面も考慮しておく必要がある」というお話ですので、肩の力を抜いて読んでみてくださいね。

バーナム効果(Barnum effect)

誰にでも当てはまるような曖昧で一般的な記述を、自分だけに当てはまる正確なものだと捉えてしまう心理現象のことです。

たとえば、次のような言葉です。

「あなたは人間関係に時々難しさを感じることがありますね。周囲にその悩みを打ち明けることは少ないですが、心の内では不安を抱えて苦しんでいます」

「計画を立てるときは意志が強く積極적になれますが、時間が経つにつれて気持ちが弱まってしまうことがあります。本当に好きなことであれば、その情熱は比較的長続きする傾向があります」

もし、私が占いのアプローチで恋愛カウンセリングを行うとしたら、このように話すでしょう。

(占いの場では相談者様自ら様々な情報を話してくれるため、あざと男子is恋愛美学でのカウンセリングよりも詳細に性格を把握し、それらしい予言ができてしまうのです)

「ふむ……あなたは今、大きな苦しみの中にいますね。
今の彼以外の人は絶対に好きになれない、と感じておられませんか?
他の異性と付き合い始めたとしても、彼のことが忘れられず、無意識に比較してますます思い出してしまうはずです。
もちろん『新しい人と付き合えば、この苦しさや寂しさから逃れられるかもしれない』という期待も抱いていますね。
ですが、あなたは今すぐにでも彼に会いたいと願っています。彼があなたに謝りながら『やり直そう』と言ってくれる場面を思い描くこともあるでしょう。
彼はまだあなたに気持ちを残しています。信じられないかもしれませんが、私はそう確信しています。相談者様はどうしてもご自身の状況を否定的に捉えてしまいがちですが、私にはあなた以上に彼の気持ちが見えています。
私の言ったことに間違いはありません。それでも不安になってしまうのが人の心というものですよね。
お相手に連絡をしたくても、プライドや現実的な問題、ご自身では解決できない悩みが邪魔をして連絡できずにいるのでしょう。
あなたが何もせずに待っていれば、およそ1か月でお相手から連絡が来るはずです。その間は『復縁できる』と信じて過ごしてください。
もし連絡が来なかった場合は、○○を試してみてください。2ヶ月後には復縁できますよ。ただ、私を信じられなければ復縁は難しくなってしまいます」

これは非常にシンプルな例ですが、警戒心が強い方や洞察力の高い方に対しては、より巧妙に言葉を濁しながら惑わせることができます。

脳が占いに逃避してしまうメカニズム

「自分はそんなものに騙されない」と思われるかもしれません。

それもそのはずです。今回はあらかじめ「これは根拠のないお話です」とお伝えしてから提示したため、惑わされずに済んでいるのです。

しかし、もし心理学の教授や非常に権威のある有名な人物から同じような話をされたら、思わず耳を傾けてしまうのではないでしょうか。

復縁したいという切実な思いが強ければ強いほど、判断力は鈍り、思わぬ言葉を信じ込んでしまうことがあります。

占いに頼ってしまう主な理由は、人間の脳が強いストレスに耐えきれないからです。

ストレスが長く続くと脳に負荷がかかり、精神的な限界を迎えてしまうため、脳は一刻も早く問題を解決しようと動きます。その際、脳は論理的な思考よりも「精神的な安定」と「心の防衛」を優先します。

その結果、「自分都合の合理化」や「権威ある者の言葉への服従」といった行動パターンを解禁してしまうのです。自分にとって都合の良い情報や信じたい話だけを取り入れ、脳を安心させようとします。

心の流れを整理すると、次のようになります。

  • 1.心に傷を負う
  • 2.精神的な安定を得るために都合よく解釈(合理化)する
  • 3.自分に不利な情報は避け、有利な言葉だけを記憶する
  • 4.権威ある人の言葉を信じ込む
  • 5.心が穏やかになる

占いに頼るときの行動パターンも、これと非常によく似ています。別れのストレスに耐えかねて、権威者(占い師など)を探してしまうのです。

  • 1.別れによって深い傷を負う
  • 2.安心感を得るために、ネットの書き込みや占いを検索する
  • 3.「占いは当たらない」という情報は視界から外し、「当たった」という口コミだけを記憶する
  • 4.占いの言葉が、まるで自分だけに向けられた完璧な言葉に思えてくる
  • 5.占いの結果を聞いて、一時的に心を落ち着かせる

占いに頼ることは、一時的な心のケアには役立つかもしれません。しかし、それが本当の復縁に繋がるかどうかは別の問題です。

根拠のない予言を信じた結果、お相手が戻ってこなかった場合、より大きな不安とショックを受けることになりかねません。自分の軸をしっかり保ち、現実的なアプローチを重ねていきましょうね。